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【特集】全国硬筆コンクール(2020)を終えて、今思うこと。

こんにちは、しめじです。

随分久しぶりの更新となってしまいましたが、無事に今年の全国硬筆コンクールをやり終えました。やはりこの全国硬筆コンクールは自分にとって大きなイベントなんだなあと改めて感じました。

ということで、今回は1人で特集記事的な雰囲気でコンクールについて振り返ってみたいと思います。

文部科学大臣賞を目指した本当の理由

それでは今回は「第36回全国硬筆コンクールを終えて今思うこと」についてしめじさんにインタビューをしてきたのでその模様をお届けしたいと思います。

ーー今年の応募で5回目の挑戦ということですが、今年に懸ける特別な思いなどはありましたか?

shimeji これまで4回の挑戦で、金賞→特選→特別賞(都道府県知事賞)→特別賞(都道府県知事賞)と徐々に成績は上がってきてはいます。ただ、おととし、昨年と2年連続で同じ賞ということもあり、当然それを超えたいという思いはありました。

また、今年の表彰式の会場は例年の日本教育会館の改修の関係で東京都美術館で実施するということだったので、絶対に行きたいという気持ちが強くありましたね。

下記の記事でも詳しく書いていますが、今年は最優秀賞である「文部科学大臣賞」を取ることを目標にしていました。
第36回全国硬筆コンクールに挑戦【文部科学大臣賞をとります】

 

ーー最優秀賞である「文部科学大臣賞」は非常に厳しい戦いになると思いますが?

shimeji そうですね、特に一般の部は大学の部と合わせて1名のみとなっていますからね。昨年の実績だと大学が111名、一般が653名で計764名の中で1名ということになっていました。

前回の都道府県知事賞の上には受賞者がいないものもありますが、文部科学大臣賞までの間に4つの賞があるので、実質4ランク上げないと取れない賞ということになります。

正直、自分の実力を客観的に見てもまだまだ明らかに無謀な挑戦だと自分でも感じていました。それでもあえて文部科学大臣賞を目指したのにはある理由があります。

 

ーーその理由を教えてください

shimeji はい。その理由というのは、例え3位の賞を取るとしても、1位を目指して3位を取るのと、3位を目指して3位を取るのはその意味が違うと思ったからです。

野球を例にすると、ヒットを打つにしても常にホームランを狙って、その打ち損じがヒットになるというのと、ヒットを狙ってヒットを打つのとでは違うというイメージです。野球をやっていた人ならわかると思いますが、ホームランを狙いにいったスイングから生まれるヒットと、ヒットを打ちにいった時のスイングから生まれるヒットは大きく違います。

ホームランを打つためにはそもそもホームランを打てるスイングができて、筋力があって、ボールを捉える力があって初めて打つことができます。野球の場合、稀にヒットを打ちにいってホームランになるような実力以上の力が出るということもありますが、硬筆の場合、奇跡的に全て完璧な形、完璧な余白で作品が仕上がるということはないと思います。

つまり文部科学大臣賞を狙って、もしダメだったとしても都道府県知事賞以上の賞が取れればOK、という戦法です。基本的には硬筆で奇跡は起こらないと思っているので、初めから都道府県知事賞の1つ上の全書会会長賞を狙っていったら、それ以上の賞は取れないと思います。そんな理由から、相当厳しいと思いましたし、自分の実力不足は実感してはいましたが、あえて高い目標を掲げて臨みました。

行書を極めたい

ーー今年の一般の部は「ミラボー橋」というお題でしたが、書いてみてどうでしたか?

shimeji 初見でお題を見た時、正直「カタカナ入ってるんかーいっ」って思いましたね。しかも文字数が多い!行が多い!と思いましたよ。実際、昨年のお題の「草枕」は4行だったのに対し、今年のお題は7行(題名除く)で73文字(多分)ということで、これまでのお題の中でも特に多い文字数だったみたいです。

僕、カタカナが超苦手なんです。そもそも独学でしたので、これまでカタカナを習う機会もなく、正しいカタカナみたいなものもこれまでよくわかっておらず、なんとなく書いていました。

ーー大学・一般の部では草書と行書から選ぶことになると思いますが、行書を選んだ理由は?

shimeji これまでは正直、行書しか書けなかったので行書一択という感じで選んでいたのですが、今年はどちらにするか正直迷いました。大学・一般の部で上位に入る作品はほとんどが草書ですし、やっぱり草書の方が有利なのかなということも感じていたからです。

でも、実際には上位入賞するような上手い人が草書で書いているだけで、その人たちが行書で書いたらそれはそれで賞を取るだろう、書体の違いによって有利・不利ということはないだろうと考えました。

それから、僕はこれまで字を書いてきて「誰が見ても読みやすくて綺麗な字」という字を目指してきていたので、やっぱり草書だとそれに合わないなと感じました。やっぱり僕には行書しかないだろうと。行書を極めたいと、そう考えて今年も行書で挑戦することを決めました。

しかも、行書で上位入賞ってやっぱり目立ちますし、かっこいいと思ったんです。笑

 

ーー書いていく中で苦悩などはありましたか?

shimeji もちろんありました。これは実は毎年のことなのですが、書き始めの段階で1年間成長している分、去年より手応えがあるので「今年はいける」と思うんですよね。で、書いていけばいくほど、なんでそんなこと考えていたんだろうと思うほど自分の字の実力不足に落胆し、めちゃくちゃ苦悩をすることになります。

実際今年もコンクール課題の練習を始めた際にはそんなことを考えて、Twitterにもそのようなことを書いていたのですが、途中で消していたみたいです。笑

弘法じゃないので筆を選びまくった

ーー特にどんなことに苦労しましたか?

shimeji まずは文字数の多さ、カタカナが入っていることは最初にきついなと思ったところでした。それ以上に、いざ規定用紙に書いてみると、質感が例年と違うもの(和紙みたいに目が荒い感じ)になっていて滲みやすく、個人的には今年の規定用紙に合うペンを見つけることに苦労しました。

先に言うと「弘法筆を選ばず」とはよく言ったものですが、僕は弘法じゃないので筆を選びまくりました。まだまだですね。というのも、昨年のコンクールが終わった後に「来年は美文字筆ペンでいく」と決めていました。上位入賞者の多くが使っていますし、僕でも強弱がつけやすくて扱いやすいペンだったからです。

それから1年かけて、意識的に美文字筆ペンを使って普段からInstagramなどにも投稿して、使いこなせるように練習してきたのですが、今年の規定用紙だとどうしても滲んでしまうんです。

これはどうしようもない、と思いすぐに別のペンにすることになるのですが、ここからもまた一苦労でした。

 

ーーそれはどんな苦労でしたか?

shimeji 美文字筆ペンの次に書きやすいペンが「プチ」というペンでした。僕は筆圧が強いので、ペン先が柔らかいと潰れて太い字になってしまうのですが、プチはペン先が硬いので僕にも使いやすいペンでした。でもこのペンも「水性」なので滲んでしまうんですね。

そのため、美文字筆ペンで滲まないように早く細く書いたりもしましたが、それだと連綿線などがなかなか綺麗に出せず、やっぱりプチで滲まない方法を見つけるしかないという結論になりました。

 

ーー昨年まで使っていた「リブ」は使わなかったのですか?

shimeji リブは確かに顔料インクなので滲むことはありません。しかし僕はやっぱりリブを使いこなすことができず、細い線が書けないんですね。今年は行数も文字数も多いので、あまり線が太いと圧迫感が出てしまうのでリブはやめました。

 

ーープチでうまく書くことはできましたか?

shimeji プチで滲まない書き方を見つけるのに結構な日数を使ってしまいました。でも、なんとか滲まないように書くことができるようにはなっていました。これが締め切りの1ヶ月前くらいでしょうか。

ですが、これにも難点があって、少し線が太くなってしまうんです。リブほどではないんですが、全体を見たときに圧迫感が出てしまうのでは、と先生からアドバイスをいただきました。

そこで、文具店に出かけてなんとなく細くて書きやすそうなペンを4種類ほど買ってみました。そこで一番しっくり来たのが「PIGMA02」というペンです。これは本来漫画を書く際などに使うような細いペンで、ペン先も筆圧をかけたらグニャッと折れてしまうくらい繊細だったのですが、意外に力加減がわかってくるといい感じの線になったんです。

先生にも「このペンの方がいい」と背中を押してもらったので、プチは諦めて細いPIGMA02でいくことにしました。

 

ーー最終的に仕上げた作品もPIGMA02ですか?

shimeji 実は、最終的に仕上げた作品はPIGMA02ではないんです。笑 というのも、提出期限の3日前(翌日には郵送したい)でこれでもいいけど後何枚か書きたいというところでついにペン先が潰れてしまったんです。

そのとき夜の8時を超えていて近くの東急ハンズやロフトは閉まっており、もう次が書けない状況でした。次の日の朝一に買いに行って、仕上げようと思ったのですがその日の夜の分がもったいなくて、1ヶ月ほど前に硬筆友達の稔くんからもらった「PIN」というペンで書いてみることにしました。

「PIN」を始めもらったとき、確かに書きやすいと思いつつもそのときはPIGMA02の方が書きやすかったので、それ以来使っていなかったのですが、PINも使っていくうちにめちゃくちゃ書きやすくなり、それまで出せなかった線が出るようになったんです。

一応翌日の朝一にロフトに行ってPIGMA02を仕入れましたが、書き比べた結果、やはりPINの方が今の自分に合っていると感じ、最終日(締め切り2日前)に猛烈に仕上げた結果、最終的に仕上がった作品はPINを使って書いたものでした。

本人にはきちんと伝えていたなかったのですが、稔くんに感謝です。ありがとう。

成長と結果は一致しない

ーーそれでは最後に、書き終わった今思っているのはどんな思いでしょうか?

shimeji その時その時でベストな字を書くことを意識しているので、その字を見たときに「下手だな」と思えたらそれが成長している、という認識でいます。そう考えたときに、昨年の字と見比べてみると自分の中では明らかに成長している実感はあります。もちろん、これは毎年のコンクール提出後に感じていることではあります。ただ、徐々にその成長直線の傾きが緩やかになってきているのも同時に感じています。

そして、今年の賞についてですが、実力以上の結果になったとしても、起こり得ない奇跡が起こったとしても文部科学大臣賞は手に届かないです。それは自分の作品を客観的に見たとき、この作品が文部科学大臣賞だったら違和感しかないからです。明らかに取れるレベルではありません。それどころか昨年の賞を超えられるかどうかも怪しいです。昨年よりもうまく書けたとしても、あくまで相対評価なのでそこばかりはどうしようもありません。成長と結果は一致するとは限らないですからね。

73文字1つひとつの文字の字形を全て完璧にするのはもちろん、中心線が曲がらないようにすること、四方の余白も考えて書くこと、線の強弱、特に「弱」の部分をいかに綺麗に書けるか、これらが全てできて初めて優秀な作品として選ばれることになるかと思います。これがどれだけ難しいか、ということを改めて実感しましたね。

途中で結構落ち込むこともあり、正直2週間以上手につかないこともあったのですが、それでも昨年と比べても倍以上練習し、それだけの時間を費やしたので、これで結果が出なかったらそれなりにまた落ち込むとは思います。

それでも、全国硬筆コンクールの本来の目的は賞を取ることではなく、コンクールを通じて字が上達することなので、書き終わった今、その本来の目的が達成できていれば嬉しいなと思います。あとは結果を待ちたいと思います。

取材・文=shimeji

結果はこちらから

結果が来ましたので、こちらの記事でご報告しました。

2020年10月21日追記

【第36回全国硬筆コンクール】結果が届いたので、ご報告します。こんにちは、しめじです。 兼ねてから経過報告をしていましたが、今年の第36回全国硬筆コンクールの結果がついに本日届いたので、その結...

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