このページでは、50音(46字)の平仮名の中でも特に覚えておくべき12の平仮名を紹介したいと思います。
※解説内容自体は「あ行〜わ行」での解説と同じものになります。
50音とは言っても、すべての文字を同じ頻度で使うわけではありません。
効率的に平仮名を覚えるために、ある程度よく出てくる文字から練習していくことが重要かと思っています。
よく使う平仮名から練習しよう

基本的には文章で文字を書いていくことになると思いますが、当然よく出てくる平仮名とそうでない文字があるわけです。
例えば語尾や接続語に使われる「と」や「の」「だ」などは多く使われますよね。
しかし、平仮名の練習をする=「あ」から書いていく人があまりにも多い気がしています。
それでももちろんいいのですが、効率が良いかというとそうではないと思っています。
例えばよく出てくる「か」や「は」に比べて「む」や「ぬ」といったあまり文章中に出てこない文字を同じ量練習するのは非効率ですよね。
よって、よく出てくる文字を中心的に練習することが綺麗な文章を書くために重要であるということになります。
という考えで、今回は50音の中でも特に文章中に出てくる文字をピックアップしました。
「あ」から始めるのではなく、これらの12の平仮名から練習してみると効率よく平仮名の練習ができるのではないかと思います。
具体的には以下の12の平仮名になります。
1 | か |
2 | し |
3 | す |
4 | た |
5 | と |
6 | に |
7 | の |
8 | は |
9 | ま |
10 | も |
11 | れ |
12 | を |
※順番は50音順です
それでは1つずつ解説していきます。
特に覚えるべき12の平仮名
か


- 1画目の書き始め、跳ねの角、2画目の終わりが直線上になるようにする
- 3画目は、1画目の角のやや右上から書き始め、①の直線とおよそ平行になるくらいの角度にする
「か」は46字の平仮名で唯一「ハネ」のある文字です。
個人的な好みですが、1画目のハネは2画目とぶつかる(空間ができない)くらいしっかりハネるといい感じに見えるかと思います。
し


- 中心線から書き始める
- やや左下に向かい、横の中心線よりやや上に重心をおき、中心線まで戻るように払う
「し」は文章内にめちゃくちゃ出てきます。
また「縦の流れ」をつくる上で、「り」とともに重要な役割を果たす文字だと思っています。
重心を下にする「し」が多く見られますが、割と上のほうに重心を置くことでバランスがよく見えるようになるかと思います。
力の入れ方としては重心に近づくに連れて強くし、離れるに連れて力を抜いていきます。
折り返しを強くしすぎると「く」と区別が付きづらくなることもあるかと思うので、滑らかに折り返すようにしています。
す


- 1画目は反り上がるように書く
- 2画目も少し反るように折り返し点までおろす(目安は下図参照)
- 折り返して、少し角を出しつつ真下に向かって払う

「ます」「です」など、語尾に使われることの多い文字です。
2画目の書き出しの位置が、1画目の中心から書く「す」も見られますが、僕個人としては(A)を長めにするのが好みです(字母も「寸」ですし)。
あと、払いも左に向かって払うものも多く見られますが、真下に向かって縦長に書く感じの方が綺麗に見える気がしています。
た


- 全体が逆台形になるイメージ
- 4画目が3画目よりも出ないようにする
- 2画目の終わりと4画目の終わりをつないだ時に、①:②が1:1(同じ間隔)になるようようにする
- もっといえば、2画目より4画目のほうが気持ち上で終わるようにする
結構多く見られるのが、3画目より4画目が長くなっている「た」。

確かに昔は僕自身もそのように書いてしまっていました。
ただ「た」の字母は「太」であり、中の「、」が4画目にあたるので、3画目より出るのは不自然です。
僕もこのように教えていただき、個人的にはすごく納得ができました。
今ではもうこの4画目の長い「た」は違和感を感じてしまいます(あくまで、僕の好みです)。
「た」はこれ以外の形はないのでこの1パターンさえ覚えてしまえばOKです。
と


- 中心線を超えて小回りに返し、中心線で交わるようにする
- 中心線より少し下で1番の膨らみがくる
- 最終点は中心線を少し超えたところまで
「と」は行書と楷書で書き方が変わる文字です。行書特有といってもいいと思います。
僕は結構細めの「と」がいいなと思って採用しています(幅としては「う」や「り」と同じくらい)。

ちなみに、上図の通り上記2つの線は平行ではないかと思います。
また、文章中に出てくる「と」は小さめに書くと、文章全体のバランスが整って見えるようになるので、小さめに書くことを意識しています。
に


- 1筆目は気持ち膨らみながら外側へ
- 2筆目は1筆目と同じくらいの距離から同じくらいの幅で気持ち斜め上に書く
- 3筆目は2筆目よりも外から書き、外で終わるように書く。その時、1筆目より上で終わるようにする(結構余裕空ける)
例えば「か」は1筆目の始めと終わり、2筆目の終わりが直線上になり、3筆目は1筆目の延長線上のやや下という目安があるので比較的安定して書きやすいです。
しかし「に」は3筆でそれぞれ独立しているので、意外に目安になるものがなく、書きにくい文字かもしれません。
2筆目、3筆目の終わりを揃えるという「に」を見かけることがありますが、「仁」が字母なので3筆目の方が外に出る、ということになるかと思います。
の


- 1筆目は中心よりやや右から
- 中の空間が同じくらいになるように気を付けながら中心に向かっていく
- 最後の払いは気持ち下に向かいながら中心線で終わるように払う
- 中心線と左右の幅が均等になるようにする
「の」は50音(46字)でもっとも多く出てくるのではないか、という超重要文字です。
「の」は丸いので正方形(円形)の形のイメージがあるかもしれませんが、結構「縦長」の文字だと思っています。
教科書や参考書によっては下をほぼ揃えるような「の」が見られます。
↓ ↓ ↓

これはこれで楷書には合うのかもしれないですが、行書には合わないと思います。
よって、僕は行書に調和していると思う下まで伸ばした「の」を採用しています。
は


- 1筆目は少し膨らんで戻る
- 2筆目は1筆目からつながる意識で中心線と重なるくらいの位置から始める
- 3画目は真っ直ぐ下ろしながら徐々に中心に向かい、2筆目の開始位置と同じラインまで戻って折り返す
- 1筆目よりも上で終わるようにする
「は」の中の空間には正方形が入るようにするようにする意識で書くようにしており、こうすることで綺麗なバランスで書けるようになるかと思います。
これが横長や縦長の長方形になってしまうと中の空間のバランスが悪くなるので、全体として違和感のある文字になってしまうことがあります。
また「は」は字母が「波」なので、「な」や「ま」とは違って「三角結び」ではなく「平結び」にします。
場合によっては3筆目の空間を潰して書くようにすることもあり、こうすることでより崩した印象の文章に調和するようになるかと思います。
ま


- 1画目は一番幅を広くやや水平くらいの角度にする
- 1画目からの運筆線を書きつつ、2角目はやや右上がりにする
- 3画目は中心線からではなく、中心線のやや右から「な」の4画目のように「スッ」と入って中心線を超えたところで折り返し、三角結びにする
「ま」(「な」)の結びは平結びと三角結びがあると思いますが、僕は完全に三角結びです。
3画目は中心線を跨ぐ形になるので、1画目、2画目の中心よりやや右を通ることになります。
「ま」の字母は「末」なので、三角結びが自然であると思います。
ちなみに「は」は「波」、「よ」は「与」なので平結びにします(詳細はそれぞれのページで)。

3画目の最後の交差した後は、同じくらいの距離が出るようにするとよりきれいに見えますし、その後の連綿の時にもきれいな空間になります。
も


- 1画目は中心線から書き始め、緩やかなカーブをしながら中心線まで戻り、上に向かう
- 2画目はやや下向きに
- 3画目は2画目より下向きに
- 1画目の最後の返しは、2画目と3画目の間に来るようにする
「も」からの連綿の際には別の書き方を使いますが、基本的にはこの1つを覚えておけばどの場面でも使えます。
れ


- 1筆目は中心線より左から、左下に向かって書く(徐々に太くなるイメージ)
- 1筆目の線をなぞるように折り返して2筆目に繋げ、少しだけ出して折り返す
- 左下に反りながら 進み、3筆目を目掛けて払う
- 3筆目の開始は1筆目からの上下の空白が同じなるように意識して書き始める
- 真下に向かうのではなく、1筆目と対称になるように右下に向かいながら最後さらに右下に払う
今回紹介する「れ」は行書に調和した形の中でも、より崩した形になっています。
僕の全体の字というのは比較的楷書に近い行書が多いのですが、この「れ」に関してはより崩した方がいいような気がしているのでこちらを採用しています。
この「れ」については1筆目と2筆目の書き方がポイントかなと思っています。
少し細かい説明になるので、下記の個別ページで詳細を解説しています。
を


- 1画目はやや右上がりに中心線を2:1くらいの割合で跨ぐ
- 2画目は中心線から始め、1画目の始点と揃えて折り返し、中心線のやや左を真下に下ろす
- 3画目は1筆目の始点と中心線からの距離を同じところから書き始め、小回りに2画目をカーブし、終わりは1画目の終点に揃える
「を」は形によっては歪んで見えてしまいがちな字だと思います。
中心線に対して左右対象で線を揃えることで真っ直ぐな字に見えるようになるかと思います。

3筆目の始点が文字の右端になるので、それを意識すると1筆目の開始位置は中心線からの距離を同じにした位置から始めます。
よって、1筆目は中心線を1:1で跨ぐのではなく、2:1くらいの割合で跨ぐとバランスがよく書くことができます。
特に覚えるべき12の平仮名:まとめ

結構な量になっちゃいましたね。笑
ここまで見ていただいてありがとうございました!
先ほども書いた通り、文章中に出てくるということは語尾や接続語に使われる文字が多くなってきます。
まずはこの12の平仮名から優先的に練習することをおすすめします!